帷ノ世界〜ナイトメア・シンドローム〜
基本情報(ふりーむより転載)
世界の闇を描いた現代風RPGアドベンチャー
2003年にコンパク銅賞を受賞したものを8年ぶりに作り直したものであるとのこと。
【制作者】 済谷川K
【公開日】 2011-12-03
【概要】
帷徹夜20歳。
仕事なし。
特技なし。
友達なし。
将来性なし。
狂気、あり。
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感想
登場人物が異様に濃い
鯉ヶ滝組というその筋の事務所に殺し屋的な人たちが集まって、スラムの怪物を掃除しに行くというストーリーなのですが、そこに集まってる面子が皆濃いのでこの段階から既にわくわくします。
敵キャラが全部オリジナルグラフィック
好きな敵キャラの一人、鴦仇摩羅(読めない)。ネタばれ防止の為一部文字を消してます。
その他いろいろ現代日本社会の闇を凝縮したような敵キャラが出てきます。
どういう発想してたらそんな敵キャラ思いつくのかというようなキャラ多数。
上のキャラみたいに仏教ネタが入ったり等、作者の教養の深さがうかがえます。
100体以上の敵キャラを全部オリジナルグラフィックで作ったことだけでもすごいことです。
秀逸な演出
キャラの動きや台詞等とても細かく演出してます。
でも、台詞の表示に間が入ったりするので、そういうのダメな人はダメかもしれない。
私は台詞が長いとか演出がくどいゲームはむしろ好きなので大丈夫だけど…。
ラーメン屋でラーメンを食べるシーンとか、世界観を盛り上げるためのシーンがちゃんと入ってるところとは映画みたいだなと思いました。
あとBGMが他のゲームでは使われていないような世界観に沿ったものが多く、使い方もスタイリッシュで恰好良かったりするので、RPGツクール2000制ではありますがそんなに古くは感じません。
コンパク銅賞を受賞したのも納得の力作です。
ただ、戦闘難易度は高めなので根気よくプレイする必要があると思います。かく言う私もヘタレプレーヤーなので最後の方で挫折しました。作者曰く、難易度下げようとがんばったけど、これ以上は下げられなかったとのことです。
このゲーム、プレイする人を選ぶのか、知名度は低いのですが私の中での実況動画を作ってほしいフリゲーランキングの上位に入ってます。このダークな世界観を共有したい。
タイルセットの考察
私による私のためのコーナー。
街宣車が登場するフリゲーが他にあるだろうか。
現代日本風だけど、現代日本そのものではなくあくまで帳ノ世界という架空の世界の現代日本。
作者はそれを演出するオブジェクトとして非常に多くのマップチップを自作しています。
各種看板や駐車場のゲートとか…。
その上でゲームを完成させたのだからすごい。
しかしこの世界を48規格できっちり作るとなると、労力的に大変すぎるかもしれません。
ゲーム業界もきれいなグラフィックが負担になっているらしいですが、ましてやフリゲーの制作者は余暇にゲームを制作してる人たち。グラフィックのためだけに多くの時間を割くのは無理なはず。
この濃い世界観のゲームが実現可能なのはやはり低解像度の2000ならではなのかもという気がします。
昔このゲームの掲示板があって、そこで作者が2000のグラフィックでもマップ素材作るのめちゃしんどかったみたいなこと言っていた記憶があるし。
とにかく登場するオブジェクト等、もし現代日本の素材を作るとしたら大変参考になるゲームです(なんか世界が偏りそうな気もするけど)。